終わったる大学生のブログ

チュウニズムのベスト枠を定期的に更新します

数学書おすすめ 2020年

数学書のおすすめをザックリご紹介します。

丁寧にどの分野ではどの本がおすすめで、この分野勉強するにはどの順番がいいとかは質問して頂ければ(気が付けば、分かる範囲で)お答えするつもりです。

 

以下でも述べていますが、私は数学科の人間なので、他学部他学科の方の参考になるかは分かりません。

(物理学科の人は群論多様体論の基礎とか必要みたいで周りに勉強している人がいましたが、正直数学科以外の人は単位のためなら以下の本より良い本が沢山あると思う。)

 

ちなみに私は現在、国公立大の理学部数学科四年生で、院試突破?したのでプレ大学院生ですが、数弱です。

専攻は解析系で多変数複素関数論です。

あんまり細かく書くと身バレしそうなので許してください。

 

まず初めに、数学書の選び方として

個人的には、本の有名度と、実際にちょろっと読んでこの本なら読めそうという直感が大事だと思います。

東大出版シリーズは、読み物というより辞書っぽいイメージ

数学選書シリーズは、難易度高めの古い本が多いが外れなしの良本のイメージ

あとのシリーズものも大体はハズレなしだと思います。

単発の本たちは、B級映画から名作探し出す感じが好きですが失敗もします。(書いてる人は偉くても雑だったり、誤植が多かったり)

 

とりあえず読んできた本として、

 

分野ごとに私が思う簡単な順に並んでいます

論理学は教養科目で数学かというと微妙です

 

集合論 松坂和夫「集合位相入門」

    篠田、米澤「集合位相演習」

 

論理学 リチャード・ジェフリー

      「形式論理学

 

解析 三宅敏恒「入門微分積分

   笠原晧司「微分積分学

   高木貞治「解析概論」

   杉浦光夫「解析入門Ⅰ」

       「解析演習」

 

線形代数 三宅敏恒「線形代数学」

     齋藤正彦「線型代数学」

         「線型代数演習」

 

群論 雪江明彦「群論入門」

   John.B.Fraleigh(群環体)

         「A First Course in Abstract Algebra」

 

環論 雪江明彦「環と体とガロア理論

   アティマク「可換代数

   後藤、渡辺「可換環論」

   松村 英之「可換環論」

 

体論   永田雅宜「可換体論」

 

微分方程式 長瀬道弘「微分方程式

 

微分幾何 松本幸夫「多様体の基礎」

     服部晶夫「多様体

 

位相幾何 加藤十吉「位相幾何学

     枡田幹也「代数的トポロジー

 

複素解析 宮地 秀樹「複素解析

     野口潤次郎複素解析概論」

 

関数解析 増田 久弥 「関数解析

 

ルベーグ積分 伊藤清三「ルベーグ積分入門」

 

圏論 中岡宏行「圏論の技法」

   T.レンスター「ベーシック圏論

   Masaki  Kashiwara

             「Categories and Sheaves」

 

ホモロジー代数 

河田 敬義   「ホモロジー代数」

ノースコット  「ホモロジー代数入門」

B.イヴァセン 「層のコホモロジー

 

多変数関数論

西野 利雄 「多変数函数論」

野口 潤次郎 「多変数解析関数論」

大沢 健夫  「多変数複素解析

 

院試 

「大学院入試問題」(黄色い奴)

永田 雅宜   「大学院への代数学演習」

 

以上!!

 

定期的に更新していくつもりではいます。

 

 

 

コメントとしては、

 

数学科の人に対して

 

入学前から僕は代数の人間になるんだ!!って考えている人も、

なんの研究があり、どんな研究があるのか分からないよって人も

検索して出てくる数学科カリキュラム?みたいなフローチャートに出てくる分野は全部やった方がいいと思います。

これは、もちろん選択肢が増えるだけじゃなくて、結局色々な分野の知識使いますし、院試解くときに選択問題の自由が効いて便利かと

 

 

 

上に書いた本について、

 

 

集合論解析学のはじめ、線型代数

 

ここあたりは王道なので本についてのコメントないです。

内容で言うと、ここらへんの本で心折れたままにしてたらヤバいです。例えるなら、小学校でいうと時計見て時間答える問題くらいの関門です。(知らんけど

ずっと使うような知識ばかりなのでサボらないようにしよう。

 

私はジョルダン標準形が若干辛かったです。

 

 

群環体

 

最近人気の雪江さんシリーズと王道のアティマクと永田本。

挙げた洋書は洋書入門としてオススメです。

洋書は丁寧すぎて驚きます。演習問題に定義の間違いを指摘せよ、とかあった気が、、、。

逆に、日本語の本は証明などに行間が多いです。かなり前に示した命題や定理を黙って使ったり、演習問題が既知とされてても、駆け出しの私達は文句も言えません。泣

 

群を丁寧にやれば、講義で扱うくらいの環論は出来て、体論も出来ます。

ガロア理論の理解くらいまでが講義の目標だと思うので、体論に環論は使わなかったような気がします。逆に環論では体の知識使いましたが。

代数出来たら院試に強いと思います。

 

 

ルベーグ微分方程式関数解析複素解析

 

四つ並ぶと四天王みたいだなぁと思いますが、この時点では殆ど独立しています。(ルベーグ関数解析が良いかも)

ちゃんとした本一冊読めば良いと思います。

ルベーグと複素は数学選書シリーズで難しいと言われていますが、私的にはとても読んで良かったと思います。

野口さんの複素は最初つらいかったので、宮地さんのを一回挟みましたが、これは誤植が多かったです。神保さん派とアールフォルス派もいます。

院試の専門の解析は大体こいつらです。

 

 

 

微分幾何、位相幾何

 

微分幾何は、もう一冊買おうかと思うくらい考え方が大切だと今のところ思っています。

多様体の基礎はラノベって言われていますが、サクサク読めすぎて、何だったんだ?ってなりました。分かりやすいです。

位相幾何の本は、正直詳しくないです。テストが脳トレみたいで楽しかったです。マイヤーヴィートリスで殴れ!!!

 

 

 

圏論

全部読んでないですが、一番下の洋書が凄く良いらしく確かに分かりやすかった。

上の圏論の本はハズレは無いと思いますが、技法は話の流れが微妙らしいです。一番お世話になりましたが。

 

圏論は、汎用性高いのにも関わらず、学部の講義に無い場合が多いと思うので、強く自習を勧めます。例に環の話が多いので環論終わってから勉強した方が良いかも。(逆に環論でも圏論出てきますが)

私は、圏論からホモロジー代数へ繋がって、多変数で登場する層のコホモロジーの勉強に役立ちました。

 

 

 

ホモロジー代数

 

ノースコットさんの本は誤植多し。

河田さんのは分かりやすいですが、絶版です。

層のコホモロジーは、ここに加えてしまいましたがどうなんでしょうか。これは難しいです。

 

 

 

多変数

岡潔さんの偉大さが分かる分野です。

日本語の本が少ないらしいですが、へんな本はない気がします。

西野さんの本がとっかかりやすいかと思いますが、絶版です。

最近、野口さんの本で学部生におくるおくる詐欺に引っかかりました。私が数弱なだけなんでしょうか。

これは必要な予備知識多いです。そもそも学部生に解析幾何代数どれも満遍なく出来て、層の扱い方慣れててコホモロジーに堪能な人材なんて日本の同世代に両手で数えられるくらいしか居なさそう。

 

 

 

最後に、

数学頑張って行こうぜ!!!

 

それと多分、数学の研究者目指す人は教職取った方が良いです。偉い先生が言ってました。

私は取り損ねたので、悟ったら黙って就職します。